2016.04.08
コラム・事例・インタビュー
統計からみるシステムエンジニアリングの躍進と悲哀
IT業界の発展は未だにとどまるところを知りません。その基盤を支えるのは、ほかならぬSEの人々の努力です。
しかしこの数年でも、SEをめぐる環境は変化し続けています。
今回は、国が毎年行っている統計から、数字で今日のシステムエンジニアリング業界を覗いてみましょう。
SEの努力の賜物!年々伸び続ける業界規模
まずは、その業績から見ていきましょう。
上のグラフのとおり、システムエンジニアリング業界の売り上げは
毎年伸び続けて<おり、今年度には
8兆円を超えんとする勢いです。
この数字もまた、SEが縁の下で奮闘している結果といえるでしょう。この調子をキープして、さらなる発展を目指していきたいですね!
今なお続くIT戦国時代に翻弄されるSE?
成長を続けている業界であっても、いえ、だからこそ、
企業間の戦いが激しいものです。揚々と旗揚げしたベンチャーにも、容赦ない運命が待ち受けています。
2013年から2015年にかけての3年間で、情報サービス業の事業所の数は5%、
100箇所も減少しています。
一方で、常用従業者の数はほとんど一定です。きわめてドライに示される統計数字の裏では、企業の倒産や合併・吸収、数々の悲喜劇が巻き起こっていることでしょう。
SEも、この荒波に翻弄される存在なのです。
増え続ける派遣労働はSEの理想なのか
そして、最後に注目したいのは、統計の最後の項目、
他企業からの派遣受け入れ従業者数です。常用従業者数が一定であるのに対して、この派遣受け入れは3年間で10%以上も増加しているのです。
その数は2015年で
のべ1035万人日、およそ
4万2,000人の常用従業者の勤務日数に相当します。
この派遣労働が業種内のどの仕事に当たるものなのかまでは項目がないため定かではありませんが、業界の中で派遣労働が占める割合が増えてきていることは確かです。
SEにとって、この事実は果たして幸せなことなのでしょうか。
いかがでしょうか。IT業界は今なお動き続けています。自身の置かれている状況をしっかり把握したうえで、行動することを心がけたいですね。
*本記事内の数字・グラフは、経済産業省の
「特定サービス産業動態統計調査」の資料に基づいています。
にし
元ゲーム開発会社勤務
ゲーム好き過ぎてゲーム作る側に回っちゃったものの、今はポチポチ文章書いてるのが楽しいです。
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